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がんの超音波内視鏡検査とは

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超音波診断として一般的なものは、超音波スキャナー(通称"エコー")だといえます。

これは、体外から内臓の断面を見る診断技術として、国内ではすでに広く普及しています。超音波は、人間の耳には聞こえない高い周波数の音です。

超音波診断装置はこれを体内に向けて照射し、それが内臓の表面に反射して戻ってきたり(反射波=エコー)、あるいはそれが内臓を通過する様子を受信装置でとらえ、そのデータをコンピューター処理して画像として再現します。

医師は、その画像を見て診断を行います。超音波は、人間の耳には聞こえなくても、音の一種です。(イヌやコウモリ、イルカには聞こえます)したがって、放射線を照射するX線撮影やCT(コンピューター断層撮像法)とは違い、人体への影響はまったくといってよいほどありません。

とくに産婦人科で胎児の検診に超音波が使用されているのは、そのような理由によります。しかしこれとは別に、もっと局部的に精密な観察を行う最新の技術が「超音波内視鏡」です。従来の内視鏡は、人間の目に見える光(可視光)で観察するので、臓器の表面しか見えません。

しかし超音波は、わずかながら臓器の内部まで浸透します。そのため、がんが正常な組織まで広がっていたり、横方向に広がったりした状態も見分けられるのです。

この診断技術では、超音波を発射し、同時にその反射波を受信する小さな装置(圧電変換装置)を先端に取り付けた特殊な内視鏡を使います。まずこの内視鏡を体内に入れ、がんの存在が疑われる部位に、その先端から超音波を照射します。

超音波は、その場所を一方から他方へとなめるように照射(スキャン)され、反射して戻ってきます。この超音波を受信してコンピューターで処理すると、臓器の内部の様子がモニターに映し出されます。

この内視鏡の先端部は、最新のマイクロマシン技術を用いて非常に小さくつくられているため、細い血管の中にまで入って観祭できるものもあります。(血管内超音波内視鏡)

日本やアメリカの一部の医療施設ですでに実用化されているこの超音波内視鏡は、従来の超音波診断装置よりも解像度(小さなものを見分ける能力)がはるかに高く、直径1~2ミリのものまで識別できます。超音波内視鏡は、気管支や肺だけでなく、胃や腸の検査にも用いることができます。

内視鏡の先端に治療器具を取り付ければ、組織検査(生検)のためのサンプル採取や、がんの切除もできます。またこの技術は、肝臓、膵臓、腎臓などの新しい検査法としても用いられます。

この場合には、腹部に小さな穴をあけ、そこから超音波内視鏡(腹腔鏡)を入れ、先端部で臓器を観察します。超音波内視鏡を使えば、「3次元画像診断」も可能です。1回の操作で目的の場所に超音波を連続照射し、そのデータをコンピューターで立体的に再構成すると、あたかも体内を肉眼で直接見ているような立体画像が得られます。

また最近では、体外から目的の臓器を3次元(立体)的に見るだけでなく、さらに時間的な変化をも追って表示できる「4次元超音波診断装置」も登場しています。これを用いると、体内の様子を、動く立体映像として観察することまで可能です。

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