がんの5パーセント程度は遺伝性といわれています。
遺伝性のがんを発症するがん患者では、親から受け継いだある種の遺伝子に、もともと変異が見られるのです。これまでに、大腸がんを生じさせる遺伝子、乳がんや卵巣がんに関係する遺伝子など、がんの発生を促す多数の遺伝子が見つかっています。
このような遺伝子をもつ人はがんになる危険性が高く、しばしば若い頃にがんが発症します。たとえば、「大腸ポリポーシス」という病気では、大腸に多数のポリープが生じます。この病気になる患者は、「APC」と呼ばれるがん抑制遺伝子の異常を親から受け継いでいます。
このような患者では、ポリープががんに変化する危険性がきわめて高く、患者の半数は40歳までに大腸がんになります。さらに、70歳頃までには、ほぼすべての患者のポリープが大腸がんに変化します。
以上の事実から、APC遺伝子に変異をもつ人はすべて、20歳までに、予防的に大腸を切除することが勧められます。また、甲状腺や副甲状腺など2つ以上の内分泌腺に腫瘍ができたときには、良性でもしばしば遺伝子診断が行われます。
これによって「RET遺伝子」に変異が見つかると、必ず甲状腺がんの一種になります。そこで、このような患者は甲状腺を完全に摘出し、がんを予防すべきだと考えられています。
さらに、家系に乳がんや卵巣がんの患者が多い女性は、「BRCA1」あるいは「BRCA2」という遺伝子に異常が認められることがあります。この場合、遺伝的に乳がんや卵巣がんになりやすいため、予防的な措置として、両側の乳房の切除と卵巣摘出が勧められることがあります。
また、がんの発生を促すこのような遺伝子が見つかった人は、家族の他のメンバーもがんを生じる遺伝子をもつ可能性が高いといえます。
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