1990年、アメリカではじめて、免疫システムを利用したがんの「遺伝子治療」が行われました。
この種の治療ではふつう、何らかの形で患者の免疫を活性化する遺伝子をがん細胞などに入れ、それを患者の体内に送り込みます。たとえば現在、次のような方法が用いられています。まず、がんに対抗する免疫反応を引き起こすさまざまなサイトカインの遺伝子を、患者のがん細胞や正常な細胞の一種(線維芽細胞)に入れます。
ついで、がん細胞の場合は放射線を当てるなどして増殖できないようにしたうえで、その細胞を患者の体内に再移植します。こうすると、サイトカインが効率的に生産され、がんに対する患者の免疫力が高まります。
またリンパ球の一種(T細胞)は、がんの抗原が単独で存在するときには、それを見分けることができません。がん抗原が「組織抗原」(人間の体をつくっている細胞の多くがもつ物質で、免疫が自分自身の一部であることを確認するために利用する)と結びついたときのみ、それを識別することができます。
そこでいま、組織抗原に関係する遺伝子をがん細胞の中に導き入れ、T細胞ががん細胞を効率よく認識できるようにする方法などが一部で実施されています。さらに、前出の細胞傷害性Tリンパ球や腫瘍浸潤リンパ球はがん細胞を攻撃する能力をもつので、これらの細胞に遺伝子を組み込み、がん細胞を見分けやすくしてから増殖させ、患者の体内に送り込む方法も試みられています。
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