欧米では、乳がんはきわめて発症率の高いがんであり、8~10人に1人の女性が乳がんになります。
これに比べると日本の乳がんの患者は少なく、約40~50人に1人にすぎません。しかし、欧米的な高カロリー・高脂肪の食生活を送る人が増えるにつれ、近年、乳がんの患者は急増しています。
乳がんには、高カロリー・高脂肪の食生活以外にも、さまざまな危険因子があります。その多くは、当然ながら、"女性であること"に関係しています。たとえば、月経の開始(初潮)が12歳以下だった人、妊娠を経験していない人、高齢ではじめて出産した人、母乳を与えたことのない人、月経の終了(閉経)が55歳以降だった人、それに、閉経後5年以上にわたってホルモン補充療法を受けている人が、比較的乳がんになりやすいとされます。
これらの危険因子は、体内が長期間にわたって女性ホルモンのひとつである「エストロゲン」にさらされると乳がんになりやすい、という仮説と一致しています。
なお、エストロゲン(とプロゲステロン)を投与するホルモン補充療法は、閉経後の更年期障害や骨粗しょう症(骨がもろくなる病気)などの治療に使用されます。また、前述のように、欧米的な食生活を送る人や肥満の人の乳がんのリスクが高いのは、脂肪細胞がエストロゲンを分泌するためと考えられています。
この他の危険因子として、合成エストロゲン(ジエチルスチルベストロール)の使用、飲酒などが指摘されています。乳房の病気(非定型組織増殖症など)や乳がんの発症経験がある人も、乳がんを新たに発症しやすいとされます。
他方、乳がん患者の約10パーセント(30パーセントという研究もある)は、乳がんを発症しやすい遺伝的要因をもっていると見られています。
母親や祖母、その姉妹などが乳がんになった女性は、乳がんになる確率が高くなります(家族性乳がん)。家族性乳がんの一部は、「BRCA1」または「BRCA2」という遺伝子に異常があることがわかっています。
これらの遺伝子に異常があると、乳がんを早い年齢(40歳前後)で発症することが多く、また卵巣がんの発症確率も高くなります。いまでは、これら2つの遺伝子に異常があるかどうかを、遺伝子診断で調べることができます。
異常が見つかった場合、定期的な検査を行う、予防的な乳房切除手術を受ける(臨床試験の段階)などの選択肢があります。この他、「ATM遺伝子」「PTEN遺伝子」などが、家族性乳がんの発症に関係Lていると見られています。
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