おとなの親指ほどの大きさの卵巣は、子宮の左右に1つずつあります。
卵巣の役割は、女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)を分泌し、またその内部で卵(卵子)を成熟させることです。女性が13歳前後になると、卵巣はほぼ1カ月に1回、成熟した卵を子宮に向かって排出するようになります(排卵)。
卵巣がんは、先進国の女性に多いがんです。しかし、おそらく生活様式の違いが原因で、先進国の中で日本における卵巣がん発症率はもっとも低くなっています。とはいえ、近年日本でも発症率が急激に上昇しています。卵巣がんには非常に多くの種類があります。しかし、それらは上皮がん、胚細胞腫瘍、性索間質腫瘍の3つに大別できます。
これらのうち上皮がんは、卵巣の表面をおおう上皮細胞から発するがんです。早くから腹膜(臓器や腹腔をおおう膜)に転移する性質をもち、そこから肝臓の表面や胃から腸に垂れ下がる脂肪組織(大網)に達します。リンパ節にも転移しやすく、しばしば骨盤や腹部の大動脈のまわりのリンパ節を侵します。
とはいえ上皮がんの悪性度には、低いものもあります。なかには、良性の腫瘍であるかのごとく転移や浸潤をまれにしか起こさない低悪性度のがんもあります。他方、胚細胞腫瘍は、卵になる胚細胞(生殖細胞)ががん化します。
このがんは卵巣がんの5パーセント程度ですが、10歳代~20歳代の若い女性に発症しやすいことが知られています。進行が速く、放置すると2年以内に死亡します。しかし、いまでは効果の高い化学療法が存在するため、がんが進行していても、大部分の患者が完治します。
性索間質腫瘍は、ホルモンを生産する細胞ががん化します。これも若い世代の患者が多いといえます。卵巣がんは、全体の約90パーセントを上皮がんが占めます。
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