「CT」は患者があおむけに寝る細長い台と、台をとりまくドーナツ状の装置(X線源)でできた検査機器です。
ドーナツ状の装置にはX線をだす装置と、X線を測定する検出器(スキャナー)がすきまなく並んでいます。患者を乗せたベッドがX線源の装置を通りぬけるあいだ、36O度の角度からX線が照射されますが、つまり一方向からしか撮影できなかったX線を、36O度の角度から撮影できるようにしたのがCTの特色です。
CT検査では、患者のからだの1センチ幅の輪切り状の精度の高い画像(断層像)がつくりだされます。メリットは広い範囲を撮影できることと、画像に乱れがないことです。静脈に「ヨード」を注入すると、それががん組織に集まりますが、「造影CT」はこの原理を応用した方法で、白く浮きでたがんを撮影します。
なおアレルギー体質の人は、造影剤を使うとアレルギーがでることがあるので、事前に申告する必要があります。日本には1万数千台のCTがあり、2O1O年のデータでは、人口1OO万人あたり911.6台のCTがありました。これは2位のオーストラリアの2倍、3位のアメリカの3倍の台数だそうです。
CTは1台1OOO万円代から2億円の機器で、耐用年数は9年ですから、設置した病院は、もとをとるため使わなくてもいいケースにまでCTを使う傾向があるとされています。CTでは患者は、X線検査の1OO倍から5OO倍の放射線を浴びるとされています。
どれくらいの被曝線量でがんになるかという正確なデータはありませんが、専門家のなかにはCTの乱用を危惧する人たちが少なくありません。医師から「CTを撮りましょう」といわれれば、こばむことはできないでしょうが、なんどでも撮影されれば、被曝のリスクが高くなることを理解しておきましょう。
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