乳がんの手術前に行われる化学療法(術前化学療法)には、主に、2つの目的があります。
1.大きすぎて乳房温存療法の適応にならない乳がんを小さくして、乳房温存療法に持ち込む。
2.手術後の術後補助療法を効果的に行うために、手術の前に抗がん剤を投与して、薬の効果を直接確認する。
ということです。
1.に関しては言葉のとおりです。2.について、まず手術後には、ほとんどの人が術後補助療法を受けます。しかし、手術でがんを取り除いたあとでは、その抗がん剤がほんとうに効いているのかどうかはわかりません。
そこで、手術の前にがんが小さくなるかどうかで抗がん剤の効果をみておくというわけです。ところが、こうした使い方をしているうちに、重要な事実が判明しました。化学療法だけで、乳がんが消えてしまう人がいる、ということです。
抗がん剤は、普通、2~3種類を組み合わせて使いますが、その組み合わせと、いつどのくらいのペースで投与するか、一緒がいいか、それとも投与の時期をずらしたほうがいいかなど、投与の方法を工夫することで、顕微鏡でみてもがんがなくなるケースがあるのです。
ある2種類の抗がん剤と分子標的治療薬を組み合わせた試験では、なんと65%ものがんが消えたと報告されています。ほかにも、術前化学療法によって、がんが消失したという報告はいくつも出ています。
こうした報告を見て、将来、ある種の乳がんは手術をしなくても、薬で治せる時代が来るのではないかと期待されています。
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