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乳がん

乳がんの遠隔転移で起こる症状と兆候

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乳がんの遠隔転移が起こりやすい場所として肺・胸膜、骨、肝臓、脳が知られています。そして、これらの部位に転移が起こると次のような症状がみられます。

■肺、胸膜
肺に水がたまったり(がん性胸膜炎)、肺の末梢部分にしこりができたりします。水がたまった場合には、せきや呼吸困難などの症状があらわれます。しこりの場合には比較的ゆっくり進行し、かなりしこりが大きくなっても症状が出ないことがあります。

■骨
骨への転移では、多くの場合、痛みが初発症状になります。進行すると骨折や神経マヒを伴うこともあります。骨への転移が疑われるときは骨シンチグラフィーをはじめ、MRI検査、CT検査、X線検査などが行われます。

■肝臓
肺や骨への転移に比べて、肝臓への転移ではその後の進行が早く、予後もいいとはいえません。症状は右上腹部の張りや圧迫感などですが、症状の出た時点ですでにかなり進行していることが多いでしょう。さらに進行すると黄だんが出てきます。超音波検査を行うと診断がつきます。

■脳
頭痛、吐きけ、めまい、ふらつきなどが起こります。造影剤を使ったMRI検査が最も有効な検査法です。遠隔転移が起きると基本的に完治は期待できませんが、適切な治療によって長期生存できる場合も少なくありません。

肝臓への転移では余命が短く、骨への転移では余命が比較的長いなど、転移した部位によってもその後の経過が変わってきますが、平均すると余命は3年程度というのが最も多いパターンです。したがって、Ⅳ期の治療は治癒を目ざすのではなく、QOL(クオリティ・オブ・ライフ。生活の質)の維持を目的に行われます。

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