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肺がん

肺がんにおける胸腔鏡手術とは

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肺がんに対する胸腔鏡手術はすでに一般化しています。

胸腔鏡手術の最も大きな利点は、手術による傷が小さく痛みが少ないことです。これを「低侵襲手術」と呼びます。胸腔鏡手術は低侵襲手術であるために、手術後の回復が早く、手術から退院までの入院期間も短くてすみます。

こういった大きな利点があるために、当初は肺の部分切除に行われていた胸腔鏡手術が、技術の進歩、手術器具の改良により、肺葉切除にも行われるようになってきました。現在では、標準手術としての肺葉切除と縦隔リンパ節の郭清にも胸腔鏡手術が行われています。

ただし、どのような肺がんの場合に胸腔鏡手術を行うかは、施設、外科医によって考えが異なっています。胸腔鏡手術には3、4cmの小さな傷で、完全にテレビモニターを見ながら行う胸腔鏡手術と、われわれが標準手術で行っているような小さめの傷で、モニターと直接肺を見ることの併用で、胸腔鏡を補助的に使用して行う胸腔鏡併用手術などいろいろあります。

いずれの場合でも、胸腔鏡を用いた肺がん手術は、以前の手術と比べれば低侵襲で、手術から退院までの期間は短くなっています。「縮小手術」の場合には術後4日、「標準手術」の場合には1週間というのが一般的です。

一般的に胸腔鏡手術の対象となるのは病期のI期の肺がんです。しかし、さらに進行した肺がんに手術適応を拡大する試みも行われています。肺がんの手術を胸腔鏡で行うのがよくて、開胸で行うのが悪いのではなく、肺がんの進行度、発生部位、外科医の技量、考え方などにより手術方法が変わってくるということです。

胸腔鏡手術は肺がんに対するアプローチの1つであり、肺の切除、縦隔リンパ節の郭清の術式には変わりはありません。したがって、安全性、全治性を考慮し、それぞれの施設で、外科医が技術と照らし合わせたうえで選択すべきだといえます。
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