肺がんは高齢者に多いがんです。
高齢者を何歳以上とするかについては一定の決まりはありません。後期高齢者という言葉を使うようになりましたが、これは75歳以上をさしています。
肺がんの化学療法を行う場合も、この75歳という年齢はひとつの区切りです。抗がん剤の臨床試験を行う場合に、一般的に75歳以上の人は対象から除外されます。それは多くの高齢者が主要臓器機能の異常、低下などをきたしていること、たとえ正常でも症状の重い副作用が発生する頻度が高いことなどによります。
しかし、高齢者でも全身状態が良好で、心臓、肝臓、腎臓などの機能が良好であれば、シスプラチンをベースにした併用化学療法は可能であるとの意見もあります。高齢者の場合、それぞれの患者は機能が異なるため、年齢だけで一律に化学療法を行うのは難しいようです。
抗がん剤の量を減らしたり、1剤だけを使用したりして治療を行っているのが現状といえます。しかし、高齢者でも化学療法が可能な患者はたくさんいます。そのような人には、なにも治療を行わないよりも化学療法を行ったほうがよいと考えられています。
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