卵巣がんの発生率は、40代から増加し、50代前半でピークを迎えます。
発生数はおだやかな増加傾向にあります。卵巣がんの発生と、強い関連性を示す要因ははっきりとはわかっていません。複数の要因がさまざまな形で関係していると考えられています。
卵巣がんはほとんど自覚症状がないので、大半は初診時にすでに転移しています。また、症状がないまま進行し、
死亡率が高いので別名「サイレントキラー」と呼ばれています。転移の症状としては腹水とリンパ節腫大(リンパ節がはれている状態)があります。卵巣は腹腔内にあり、そこから発生した卵巣がんが種をまくように腹膜に広がっていくのを腹膜播種と呼びます。
腹膜播種が進行すると腹水がたまってきます。腹部膨満感は、腹水がたまったときだけでなく、卵巣腫瘍自体が大きくなった場合にもあります。10cmくらいになると腹部に違和感を感じる人がいます。このように下腹部が腹水や腫瘍で大きくなるのですが、その症状を多くの人が中年太りと思ってしまうところに大きな問題があります。
急に激しい腹痛が起こった場合、卵巣腫瘍がねじれて血行障害に陥ったか、卵巣腫瘍が破裂したか、どちらかの可能性があります。月経時以外の下腹部痛はこれらの可能性も考えなければなりません。
卵巣を構成するおもな組織には、腹膜に由来する表層上皮と、ホルモンを産生する性索間質と、卵子のもとになる卵細胞(胚細胞)があります。このうち、表層上皮から発生する卵巣がんが全体の90%以上を占めています。
その次に多いのが、卵細胞(胚細胞)から発生する胚細胞腫瘍です。未分化胚細胞腫、卵黄嚢腫瘍、未熟奇形腫、その他の腫瘍、あるいは混合型に分けられます。卵巣悪性腫瘍の約8%というまれな腫瘍ですが、10~20代の若年層に発生します。
なお、卵巣がんの組織型は多岐にわたります。卵巣の外側の皮から発生する表層上皮性・間質性腫瘍、皮の中側から発生する性索間質性腫瘍、卵細胞から発生する胚細胞腫瘍、その他に分かれます。また、卵巣腫瘍は悪性度からみて、良性、悪性とその間の中間群の3つに分類されます。
最も多い上皮性卵巣がんの組織型は4つに分類されます。サラサラした液体を分泌する漿液性腺がん、ネバネバした粘液を分泌する粘液性腺がん、子宮内膜に似た類内膜腺がん、細胞質が明るく見える明細胞腺がんです。
この組織型によって抗がん剤の効きやすさが異なります。漿液性と類内膜は効きがよく、粘液性と明細胞性は効きがよくありません。
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