肝臓がんは、治療がたいへん難しいがんのひとつです。
その理由は2つあります。第1の理由は、患者の多くが、がんが発生する前に、すでに肝臓自体が大きく損なわれていることです。そのため、積極的な治療を行うと、それによって肝臓の機能がさらに低下し、生命に関わることになります。
第2の理由は、がんがいったん治療しても、新たながん(二次がん)がふたたび発生する可能性がきわめて高いことです。人間の体の解毒装置でもあり、化学工場でもある肝臓は重要な臓器です。
重さが800~1200グラムと、皮膚を除くすべての臓器の中で最大であるだけでなく、例外的に"再生する力"をもっているのです。肝臓の80パーセントを切除しても、数日のうちに再生が始まり、数カ月~1年でもとの大きさまで回復します。
この臓器は、腹部の右上方にあり、肋骨に囲まれています。内部には何千もの小さな葉っぱ形の構造(小葉)があり、それらが集まって、2つの大きな葉(右葉と左葉)をつくっています。小葉の内部には、類洞と呼ばれる血液の通り道があります。肝臓に流入した血液は、ここで肝臓の細胞によって"ろ過"されます。
たとえば、血液中に含まれる病原体や死んだ細胞などが、肝臓の細胞に取り込まれます。また体内に入り込んだ有害な金属やアルコールなども吸収され、細胞内で無害な物質へと変えられます。
肝臓は他にも、胆汁や消化酵素などの合成、体の栄養素となるグリコーゲンと脂肪の貯蔵等等、非常に多くのはたらきを担っています。この大きな臓器には、数種類のがんが発生します。
それらのうち、成人では、全体の90パーセントが「肝細胞がん」です。肝細胞がんは、有害物質の無害化やさまざまな物質の合成などを行っている肝臓のもっとも重要な細胞(肝細胞)ががん化するものです。また5パーセントは肝臓の細胞のがんではなく、肝臓内を通っている胆管の細胞ががん化する「胆管細胞がん(肝内胆管がん)」です。
これら以外の肝臓がんは比較的まれです。現在、肝臓がんでの死者数は肺がん、胃がん、大腸がんについで4位であり、毎日95人、15分に1人の割合です。男性が圧倒的に多く、女性は男性の半分以下です。
これまで肝臓がんによる死者は増加の一途をたどってきましたが、現在は死者数は横ばいか、やや減少傾向にあります。
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