がん免疫療法のなかでも、獲得免疫の働きを利用して、がんだけを「特異的」に探し出して攻撃する治療法を、「特異的免疫療法」と呼びます。
特異的免疫療法は、ごく簡単にいうと、がん細胞にくっついているしるし(抗原)をリンパ球に覚えさせて、がんを攻撃する方法です。がんを攻撃するのはおもにT細胞の役目ですが、樹状細胞を使う治療法も開発されています。T細胞にがんの情報を伝えることができるからです。
特異的免疫療法は、がんだけを攻撃し、ほかの部位に影響を及ぼしません。そのため、副作用も少なく、現在さまざまな治療法が研究されています。なかでも中心的なのが、「がんワクチン療法」です。
なお、特異的免疫療法はまだ新しい研究で、不明な点も多く残されています。現在では、非特異的免疫療法と、特異的免疫療法と、両方の利点をいかして利用することも多くなっています。次のとおりの手順で”特異的免疫療法”では、人それぞれのがんの特徴を調べてT細胞に伝え、体内でがんを攻撃させます。
①患者のがんの特徴を知る
本人のがん細胞を調べて、がんの特徴「がん抗原」を割り出します。人によって、自分自身のがん抗原を使う場合と、人工的に合成されたがん抗原を使う場合があります。
②採取した免疫細胞にがんの特徴を教える
本人から採取した免疫細胞を培養し、そこにがんの特徴を示す「がん抗原」を加え、細胞に認識させます。
③本人の体内に戻す
敵を認識した免疫細胞を、本人の体に戻します。すると、T細胞が体内でがん細胞を攻撃します。
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