さまざまな検査や画像検査などでがんがあることがわかっても医療側はすぐに治療をはじめるわけではありません。
医療スタッフはがんの治療法を検討するときに、がんの広がりや進行度、からだの状態、持病などを参考にして、もっとも効果的な、もっとも身体的負担の少ない治療法を選択します。12世紀の医療の大きな特色は、患者のQOL(生活の質)を尊重することです。
だから治療中も治療がおわってからも、患者の生活をひどく損なうような治療をしないことになっています。患者側は病気の治療にはいるまえに、まず自分の病気の状態と治療法を理解しておくことにしましょう。
これは治療法を的確に理解し、ばあいによってはべつの治療法の可能性を探るために必要なことがらです。いずれにしても医師任せにして、漠然とした状態で治療を受けるべきではありません。治療を理解している患者のほうが余計な不安にとりつかれることはないだろうし、治療効果があがるといわれます。
さて、がんの治療中にも治療後にも、画像検査は大きな位置を占めます。現在の検査方法と医療が大きく進展した理由のひとつに、コンピュータと画像機器の進歩が作用しています。がんの治療では、患者にとってもっとも適切な治療方針を決定するために、「精密検査」をしなければなりません。
医療側はこの精密検査をひっくるめて「術前病理診断」と呼んでいます。術前病理診断を最終的に引き受けるのは病理医です。第1段階の精密検査には、大きくわけて1個1個の細胞を調べる「細胞診」と、さらに広い組織を調べる「組織診」があります。
この検査のためには患部から細胞や組織をとりだす必要がありますが、ここではさまざまな方法が使われます。たとえば肺がんでは、タンから細胞をとりだす検査がおこなわれます。この検査は1回だけではがん細胞を検出しにくいので、何日かにわけてくり返されることがあります。
さらに、のどに麻酔剤を吹きつけて気管支鏡という内視鏡を挿入し、気管や気管支のなかを調べるとともに、ブラシでこすって(ブラッシング)細胞を採取します。口のなかのがん、膀胱がん、子宮頸がんなどのばあいも、粘膜をへラやブラシのようなものでこすって細胞や組織をとりだします。
組織診ではまた、患部に針をさして組織をとる「針生検」(バイオプシー)がおこなわれます。細い針を使う組織診では、CTやエコーのモニター画像を見ながら細い針をさして組織をとりだします。
これは主としてがんかどうかを確かめる「確定診断」に必要な検査で、痛みも少なく外来でできることがメリットですが、肺や肝臓のような臓器のばあいは、入院して経過を観察する必要があります。
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