初期段階のがんの診断はTNM分類という世界的に共通する分類法に準じ、日本独自の修正を加えた「乳癌取り扱い規約」にのっとって行われます。
TNM分類の「Tカテゴリー」はがんのひろがりを示す分類で、Nカテゴリーはリンパ節転移の状態、Mカテゴリーは遠隔転移(中小)の有無を表します。この3つの要素を検討して、それぞれの患者のがんの病期(ステージ)が0~4期まで決まります。
病期ごとにだいたいの治療方針が決められており、病期が治療方針の目安となります。
例えば、しこりの大きさが2センチ以下だとTカテゴリーではT1に相当し、Nカテゴリーの分類で腋窩リンパ節転移がなく(N0)、遠隔転移がない(MカテゴリーでのM0に相当)場合は、ステージ1となりますが、しこりが2センチ以下でも
(遠隔転移がなく)腋窩リンパ節に転移があるとステージは2A、胸骨傍リンパ節に転移があるとステージ3Aになり、治療の選択肢も異なります。
また、がんのひろがりから、早期がん(ステージ1)、局所進行がん(ステージ2~3)、転移性乳がん(ステージW4)という区分をすることもあります。このように分けられたステージにのっとってだいたいの治療方針が立てられますが、確定するのは主に手術前の治療法のことと手術法についてです。
つまり、手術前に薬物療法や放射線療法を行うべきか、手術法は乳房温存療法なのか、それとも乳房切除術で行うのかといったことが決まります。
手術後の治療法(第2段階の診断)は、手術のときに摘出したがん組織の病理検査で決まります。この際参考となるのが、国際会議で決定される乳がんの再発リスク分類です。がんの病理診断によって、患者の乳がんがどのリスク分鎖に相当するかを判断します。
また、HER2たんぱくを発現している悪性度の高いがんに対し効くハーセプチン(トラスツズマブ)が有効かどうかも、がんの組織を病理で調べることによって分かります。
このように、診断は手術前の検査によって一気に決まるといった単純なものではなく、主に2つのプロセスでその時点で得られた検査結果を参考にしながら、診断と治療方針の調整が行われます。
・・・
どうすれば、がんは治せるのか!?
標準治療(手術・抗がん剤・放射線)に耐え、代替療法も活用すれば・・・
本当にがんは治せる?
詳しくはこちらのページで