乳がん治療に使える抗がん剤はアルキル化剤、アンスラサイクリン系、タキサン系など約30種類あり、1つの薬を使う方法と数種類の薬(多剤)を使う方法があります。
手術後の補助的な治療法として抗がん剤を投与する場合は、多剤で効果の高いものを使い再発のリスクを抑え、再発した場合はできるだけ副作用の軽いものから順に試していくことが一般的です。
抗がん剤の場合、よく効いても薬の耐性ができて効かなくなることがあるからです。
多剤併用療法でよく行われるのは、CMF、EC、ACなどといわれる組み合わせです。
単剤でよく使われるのは、タキソール、タキソテールなどタキサン系の抗がん剤やナベルピンなどで、多剤療法が効かない症例に効果があります。タキサン系と他の抗がん剤との併用も行われています。
【投与法】
抗がん剤の投与法は薬剤によって異なります。点滴で投与するものもあれば、内服で可能なものもあります。点滴で行う場合、5~20分など短期間で済むものもありますが、ドセタキセル(商品名「タキソテール」)を3週間に一度行う療法では、1~2時間かけて注射します。
内服薬の場合は2~3週間、毎日内服することが多く、点滴で行うものは、3週間を1サイクルとして、サイクルは4~6サイクル、つまり1種類の化学療法を完了するまで概ね3ヵ月かかるものが多いのです。
【副作用】
抗がん剤には必ず副作用があります。代表的なのは、骨髄抑制です。薬剤によつては脱毛や吐き気のあるものもあります。骨髄抑制とは、細胞分裂が活発なために造血細胞に抗がん剤が作用してしまうため、白血球が減少し、重篤なケースでは感染症を合併することがあります。
したがって、抗がん剤投与前に体調チェックし、血液検査を行って、数値が下がった場合は治療を中断したり、骨髄機能を回復する治療薬を注射したりします。嘔吐に対しては、制吐剤によってコントロールが可能ですが、脱毛は薬では抑えられないのでウィッグやバンダナなどを活用して対処します。
その他、口内炎、消化不良、肝機能障害などがありますが、知っておかなればならないのは閉経前の女性の卵巣機能障害です。卵巣機能に影響を与えることがあるためアンスラサイクリン系とタキサン系抗がん剤の組み合わせでは、体質や年齢によっては生理が止まったり、永久に閉経してしまうことがあるからです。
副作用は個人によって差があり、重くなる人と軽い人がいます。副作用が重い場合は、がまんせずに医師に率直に伝えて薬を変えてもらうこともできます。
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