栄養学の歴史上、食物繊維ほど従来の評価を大きく覆したものはないでしょう。
「植物の細胞壁を構成する成分で、人間の体内では消化されない」と定義されている食物繊維は、かつて栄養的に価値がないと思われていたどころか、栄養の吸収を妨げるという理由で、調理の際にとり除かれていたこともありました。
それがいまでは、体にとって有用な働きを示す「第6の栄養素」として脚光を浴びるようになり、がん予防の「切り札」としても大いに期待されています。食物繊維には、水に溶けない不溶性食物繊維と、水に溶ける水溶性食物繊維という2種類のタイプがあり、それぞれ違った得意分野を持っています。
【不溶性食物繊維の特徴】
a.腸内で水分を吸収して膨らみ、 腸壁を刺激して便通をよくする
b.腸内環境を整える善玉菌(ビフィズス菌)を増やし、逆に発がん物質の生成に関わる腐敗菌(悪玉菌)の増殖を抑える
c.有害物質を吸着して体の外に排泄する
■多く含まれている食品
・セルロース、セミヘルロース:穀類、豆類、芋類、野菜
・リグニン:豆類、ココア
・キチンキトサン:エビ、カニの殻
【水溶性食物繊維の特徴】
a.大腸の粘膜を保護し、発がん物質の接触を妨げる
b.糖質や脂質などの吸収を遅らせ、血中コレステロール値や血糖値の上昇を抑える
c.発がんを促進する胆汁酸の分泌を抑える
☆多く含まれている食品
・ペクチン:果物、野菜、寒天
・グルコマンナン:コンニャク
・アルギン酸:ワカメ、コンブなどの海藻類
・アガロース:寒天
以上のように、どちらのタイプの食物繊維も、とくに大腸がんに対してきわめて有効に作用することが科学的に証明されています。したがって、さまざまな種類の食品から両方をバランスよくとることが大切です。
平均的な日本人の食物繊維摂取量は、昭和30年代のころに比べて半分以下、一説には10分の1まで減っているといわれ、その現象に比例して大腸がんが急増してきました。
伝統的な和食のよさを見直し、未精製の穀類や豆類、野菜、果物、海藻をたっぷり食べるように心がけましょう。そして、少なくとも1日に約30グラムの食物繊維を摂取することが推奨されます。
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