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肺がん

小細胞肺がんの化学療法(抗がん剤治療)の効果

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小細胞がんは非小細胞がんと比較して、がんの増殖速度が速く、早期に転移します。

しかし、抗がん剤がよく効く場合が多く、なかには抗がん剤治療だけで治ってしまう場合もあります。小細胞がんは病期分類のほかに「限局型」と「進展型」という分類が用いられる場合がよくあります。

これは小細胞がんでは手術の適応となる場合がほとんどないため、進行度に分けて治療法を変えているからです。左右どちらかの胸の中にがんがとどまっている場合を限局型といい、胸水があるとか遠隔転移を認めるような場合を進展型といいます。

限局型の場合には化学療法と放射線療法を併用して行うのが普通です。この放射線療法は、化学療法と同時に行うのが効果的とされています。

■限局型小細胞がんの治療法

化学療法と放射線療法の組み合わせが、限局型小細胞がんの標準治療(現時点でそのがんに最適の治療法)です。かつて、この放射線療法と化学療法は同時に行うのがよいか、別々に行うのがよいのかという議論がなされた時期がありましたが、同時に行うほうが効果的であることがいくつかの臨床試験により示されました。

同時併用療法のときの放射線量は45グレイ(放射線の量を表す単位)を照射するのが一般的です。使用される抗がん剤は、シスプラチンとエトポシドで、この2つの抗がん剤を点滴で用いる併用化学療法が最もよく行われています。

この併用化学療法は、通常、4回繰り返して行われ、治療がはじまってから終了するまでに3~4か月くらいかかります。この限局型小細胞がんに対する併用化学療法と放射線治療の組み合わせによる効果はかなり高く、80~90%の有効率です。

しかし、有効であったことと治癒することとは異なります。多くの場合、いずれまたがんが大きくなり転移を起こします。5年生存する率は10~20%くらいです。それでも、20年以上前には小細胞がんが治癒することは、ほとんど考えられなかったので、大きく進歩したといえます。

■進展型小細胞がんの治療法

進展型小細胞がんには化学療法が行われます。現在では2つの抗がん剤を組み合わせて使う併用化学療法が行われています。よく用いられる組み合わせは、シスプラチンとエトポシドという薬、あるいはシスプラチンとイリノテカンという薬の併用です。いずれも点滴で投与します。

この併用化学療法を3~4回繰り返します。この併用化学療法は3~4か月くらいかかります。進展型小細胞がんに対する併用化学療法の効果は限局型と比較すると低くなりますが、それでも60~80%くらいの有効率があります。

しかし、進展型では、がんの再発までの期間も短く、長期生存すること、治癒することはまれです。1年以上生存する人はせいぜい半分くらいです。また、小細胞がんに対する新しい抗がん剤としてアムルビシンという薬も出てきました。

現在のところシスプラチンとイリノテカンと同等か、それ以上の効果が示されています。今後の小細胞がんの化学療法にシスプラチンとアムルビシンの併用化学療法が標準的に用いられる可能性があります。

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