がん遺伝子とがん抑制造伝子(ラス遺伝子およびp53遺伝子)の変異は、かなり多くの種類のがんで見られます。
たとえば、これら2つの遺伝子が両方とも変異している割合は、大腸がんで約80パーセント、膵臓がんでは約90パーセントに達します。そこでいま、これらの遺伝子の変異を指標にして、がんがリンパ節に転移していないかどうかを診断する試みが行われています。
遺伝子診断が転移を検出する能力はきわめて高いものです。たとえば、病理診断では転移していないと判断されたリンパ節でも、残ったリンパ節の標本から抽出されたDNAを調べると、発生場所のがんの病巣で見つかった遺伝子変異と同一の変異が検出されることがあります。
また、遺伝子診断で「リンパ節には転移していない」と診断されたときには、再発の危険性はほとんどないといわれています。このような場合には、手術後に抗がん剤などによる補助療法を行う必要がないため、手術後にも高い"生活の質"を保つことができると考えられます。
一方、遺伝子診断でリンパ節に転移が認められれば、病理診断ではがん細胞が検出されなくても、補助療法を行う必要があります。さらに、がん細胞のがん関連遺伝子を解析することにより、がんの性質も判定できるようになりました。
そのため一部のがんでは、遺伝子を調べることにより、悪性度や転移のしやすさ、抗がん剤の治療効果、さらには予後なども推測できるようになっています。
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