悪性リンパ腫は、白血球の中のリンパ球の一部ががん化する病気です。
首やわきの下、足の付け根などのリンパ節にしこりができることが多く、胃や肺などにできることもあります。高齢化とともに患者は増えています。悪性リンパ腫は、ホジキンリンパ腫(患者の約5%)と、非ホジキンリンパ腫(同約95%)の二つに大きく分かれます。
このうちホジキンリンパ腫は、比較的抗がん剤が効きやすいタイプです。一方、非ホジキンリンパ腫は、進行のゆっくりした「低悪性度」から、月単位で進む「中悪性度」、週単位で急速に悪化する「高悪性度」と、病気の進み具合は様々です。ただし、「高悪性度」の悪性リンパ腫は、進行も速いが薬もよく効き、治りやすいといえます。
実は、やっかいなのは「低悪性度」の悪性リンパ腫です。進行は遅いのだが、薬があまり効かないという特徴があるためです。新薬の対象となるのは、「低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫」と、「マントル細胞リンパ腫」(低悪性度と中悪性度の中間)。両者で非ホジキンリンパ腫の約4割を占める、治りにくい悪性リンパ腫の代表です。
新薬の一つは、2007年に承認された飲み薬、フルダラ錠(一般名リン酸フルダラビン)。従来の抗がん剤のような、脱毛やしびれの副作用はないが、白血球減少などには気をつける必要があります。もう一つは、08年に承認された注射薬のゼヴァリン(一般名イブリツモマブチウキセタン)。
薬にイットリワム90という放射性物質を結合させ、放射線を発し、がん細胞を殺す薬です。ゼヴァリンの治療ができるのは、放射線の管理ができる施設に限られます。体内の放射線はすぐに外出しても問題ないレベルに下がります。いずれも、従来の抗がん剤が効かなくなったり再発したりした患者が対象です。
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