がん治療は時代とともに進歩して変わっていきます。特に乳がん治療の場合は日進月歩で変化を重ねていて、その時点において得られた科学的根拠(「エビデンス」)に基づいた最善の治療・方策を「標準治療」と呼んでいます。
しかし、がんという病気が解決を見たわけではない以上、「標準治療」は完全な治療法ではありません。その時代において、最も信頼される効果的な治療法、あるいは広く普及した安全な治療法、と言ってよいでしょう。
乳がんの新しい治療法の開発と科学的根拠の追究は、世界の各地で日々刻々と取り組みが進められています。
これは、研究者・医療者と患者さんによるさまざまな「臨床試験」と大規模な疫学的調査の積み重ねの中から、さらにまた新しいがんの治療成績をあげるための方法と努力と検証が行われているためです。
つい最近までは「先進医療」とみなされたものが、現在では「標準治療」となっていることがあります。
たとえば、10年前は手術の前に抗がん剤を用いてがんを縮小する「術前化学療法」はまだ標準治療ではなく、欧米における「臨床試験」で主に行われていました。あるいは、リンパ節郭清の後遺症を回避するための「センチネルリンパ節生検」が日本に導入されたころは、この方法に懐疑的な医師もいました。
しかし、2つとも現在では「標準治療」となって、乳がんの専門病院であれば患者さんたちは不安や疑問を持たずに、術前化学療法やセンチネルリンパ節生検を受けることができます。つまり、その時代の「標準治療」はその時代の「臨床試験」の結果の積み重ねの上に成り立っているといえます。
つまり現在行われている臨床試験も将来の標準治療となりうる可能性のある治療です。医療者にとって「臨床試験」を積極的に進めることと、患者が「臨床試験」に積極的に参加することはとても重要なことだといえます。
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