天然の素材自体には発がん物質が含まれていなくても、収穫後の貯蔵法や保存法が悪いと微生物によって「マイコトキシン」と呼ばれる発がん物質が食品中に混入する場合があります。
その一種である「アフラトキシン」は、カビによって作られる発がん物質です。アフラトキシンが発見されたのは、1960年にイギリスで起こった七面鳥の大量死がきっかけでした。その原因を調べたところ、飼料のピーナッツにカビが発生しており、このカビが作る物質が強力な毒性を持っていることがわかったのです。
アフラトキシンは、主に肝臓がんの原因になると考えられています。いまから30年ほど前には、インドでアフラトキシンの汚染による肝硬変が蔓延し100人以上が死亡した例があります。また、タイのある地方ではアフラトキシンに汚染されたピーナッツオイルが料理に使われたために、肝臓がんが多発したという例も報告されています。
幸い、国産のピーナッツにはこの種のカビは発生しませんが、輸入品のピーナッツをはじめ、トウモロコシ、穀類などからは検出されています。現在ではこれらに対して厳重な検査が行われるようになったことから、輸入品にもアフラトキシンによる汚染がほとんど発見されなくなりました。
しかし、古くなったものや表面が白っぽくなっているものを見つけたら、けっして口にしないようにしましょう。
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