長い歴史と幅広い実績を持つ疫学研究の結果、がんは国や地域によっても多い種類と少ない種類との偏りが見られることが明らかになりました。
この格差は、その地域特有の環境によって生じるものなのか、またはその地域に住んでいる人種の遺伝的な素因によるものなのかなど、いろいろな議論が展開されてきました。
たしかに、ごく限られた地域ではそういった背景があることも事実ですが、最終的にわかったのは、やはりライフスタイル、とくに食生活が大きく関わっているということだったのです。
1976年にアメリカのキャロル博士が発表した「がんの原因」という論文にでてくる疫学研究の1つで、世界39か国の乳がんの死亡率と脂肪の摂取量の関係を示した表があります。
この2つの間には明らかに相関関係か見られるのですが、植物性脂肪に限定してみると乳がんの発症率との相関性は見られなかったのです。つまり、動物性脂肪のとりすぎが乳がんの発症に深く関わっていることがうかがえます。
さらに、国や地域による違いは人種によってできるものではなく、食生活に根ざしていることを裏づけるデータがあります。
いまから30年前、日本からハワイへ移民した人たちのがん発生のパターンを調べた結果です。当時の日本人のがんを臓器別に比較すると、胃がんが死亡率、罹患率ともにトップでした。1993年に肺がんと入れ替わって死亡率2位になったのも、医療技術の進歩による早期発見、早期治療の成果といわれていますが、罹患率自体はけっして減っているわけではないようです。
100万人あたりのがんの部位別罹患率を見ても、胃がんがほかのがんを大きく引き離していました。そして、ハワイに移民した日本人のがんの傾向と、日本にいる日本人のそれを見比べてみると、胃がんだけは日本にいる日本人のほうがハワイに移民した人たちより3倍ほど多いことがわかりました。
それに対して、大腸がんと乳がんは4倍、前立腺がんは10倍もハワイに移民した人たちのほうが多いことが明らかになりました。移民した人たちが従来の日本型食生活からアメリカ型食生活に移っていく傾向は一世、二世、三世と代を重ねるにつれて色濃くなっていることもわかっています。
このことから、日本人が、もともとこれらのがんになりやすい遺伝子やなりにくい遺伝子を持っているわけではなく、住む地域や環境による食生活の違いが、がんの傾向に大きく影響すると考えられるようになったわけです。
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